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折るだけカンタン!米袋ハット

愛媛県・田村隆悟

米袋ハットと米袋前掛け姿の筆者(中央)。イベント時のユニフォームです

イベントでの集客効果は抜群

みなさん、こんにちは!

 私たちは、四国、愛媛県高原町で農業をする若者が集まって組織した「天空ファーマーズ」(青年農業者連絡協議会)といいます。私は会長をしている田村隆悟と申します。

 ここは、愛媛県のほぼ中央に位置し県内最大の面積を有する町ですが、九〇%が森林、六五歳以上の割合が四三・七%と県下でもっとも高齢化が進んでいる場所です。そんななか、若い力で夏秋トマトや米などを生産しながら、久万高原町での暮らしを楽しんでいます。

 年に何度か定例会を行ない情報交換するのですが、ある日のこと、毎年国内で一億枚以上も作られては捨てられる運命にある「使用済みの米袋」を使って、何か米どころ四国、久万高原町をPRできないかと検討しました。

すると協議会員の一人が私のトレードマークとしている「テンガロンハット」を指差し、いっそこれを米袋で作ったらどう?と提案したことから、「米袋ハット」が誕生しました。

米袋ハット
米袋バッグ。30㎏袋のほか、窓枠付きの10、5、3㎏袋も。町のゆるキャラ(ゆりぼう)のロゴが入ったお米も販売

米袋の上下を切り落とし折り紙のように折って製作しますが、「久万高原米」と印刷した文字が、正面に現われるように作っているのがポイントです。

 他にも何か作れないかと検討した結果、「米袋前掛け」が完成しました。

 これらを身に着け、町内で毎月開催している「軽トラ市」にてお披露目したところ、お客さんの目を引き、集客効果抜群でした。グッズとしても販売し、これまでに七〇〇人以上の方にご購入いただきました。製作は町内の女性グループも担当し、協議会が買い上げ、軽トラ市のほか、道の駅などでも販売しております。

なんとウエディングドレスまで!

 その後も商品開発は継続しており、ウォールポケットやうちわ、のれん、クッションなど、すでに三〇種類以上の試作品が完成しています。また、米袋の底の部分は、小物入れやスリッパに、ヒモをはずしてミサンガを編むなど、すべての部位を廃棄することなく活用しています。

 そして究極のアイテムが「米袋ウエディングドレス」です! 米袋をつなぎ合わせ、花の形に切った飾りをドレス全体にちりばめ、ティアラやネックレス、コサージュなどの装飾品も完成しました。

究極のアイテム、米袋ウエディングドレスを試着中

 私たちのような中山間地の農家は、農産物と合わせてその土地の自然環境も伝えていかなくてはなりません。そのためにはまず「四国 久万高原町」の名前を知ってもらおうと、どの商品も「久万高原米」の文字が正面に現われるように製作しているため、自然な形で町のPRができる仕組みとなっています。

 わが町、わが米のPRに、皆さまもぜひご活用ください。

(愛媛県久万高原町)

*月刊『現代農業』2021年2月号(原題「わが町、わが米のPRに 米袋ハット)より。情報は掲載時のものです。

自然素材で楽しむ 手仕事&クラフト

農文協 編

農家・農村には、自然の素材・身近な素材を生かした手仕事やクラフトがいっぱい。暮らしに欠かせない道具・用具のほか、無病息災を祈る縁起物、季節を彩る飾り物、あるいは玩具や楽器、アートなど、その種類は実に様々。この本では、『現代農業』、『うかたま』、『季刊地域』などの記事をもとに、しめ飾りや門松などの正月飾り、草花のリースなどのクリスマス飾り、ドライフラワー・花束などの飾り物、かご・ほうきなどの生活用具、草木染め、柿渋塗り、竹工・木工など、個性溢れる多種多彩な作品づくりを大公開。