冷凍トウガンで絶品デザートができた
福岡・境キヨミ

冷凍&解凍で果汁がたっぷり抜ける
以前は果樹、野菜、米などなんでもつくる専業農家でした。77歳の今は自家用野菜をつくって、大好きな料理を日々楽しんでいます。あれこれ考えるのが大好きで、自己流のレシピがいろいろあります。一度冷凍させたトウガンで作るデザートもその一つです。
以前からトウガンは自家用に育てていて、煮物や味噌汁、漬物などいろいろな食べ方をしていましたが、一株から大きな実がたくさんできるので食べきれないこともありました。
ある時、トウガンはカリウムが豊富で腎臓によいと聞き、もっとたくさん食べようと冷凍保存したら、これが功を奏しました。自然解凍すると、大量の果汁が出てきて、水気の減った果肉だけが残ったのです。これを煮物にしたら、なぜか片栗粉なしでもとろりとしたので驚きました。
他にもいろいろできそうだと、ひらめきで果物やジュースで煮詰めてみたら、何ともおいしいデザートができたのです。トウガンは切らずにいれば12月頃まで置いておけるので、年の暮れに冷凍しています。ひと手間かかりますが好きな時に作れて味も絶品、まさにとっておきのアイデアです。
冷凍トウガンを使ったデザートの作り方
(1)切って冷凍する

皮をむいてワタをとる。ワタはタネごと味噌汁などに使える。大きな実なら10等分くらいに切り分けてから、ポリ袋に入れ、1日以上かけて中までしっかり冷凍。写真のように小さく切れば切るほど中まで早く冷凍できる。
(2)ザルにのせて解凍する

ボウル(または鍋)の上にザルをのせ、凍ったトウガンを並べて、半日以上置いて自然解凍する。写真のように大量の果汁が流れ出て、トウガンのカサもだいぶ減る。
果汁はカリウムたっぷり。味噌汁やおでんを作る時に汁に加えて使う。製氷皿に入れて再び冷凍保存できる。
果肉は煮物にも使える。片栗粉などがなくてもとろっとなり、生のトウガンで作るよりも時短になる。
(3)果物やジュースと一緒に煮詰める

トウガンの果肉と小さく切った果物(ミカン、モモなど何でもいい)を鍋に入れ、火にかけて軽く煮詰める。水気が飛んだら火を止め、冷めてからさらに冷蔵庫でよく冷やす。果汁100%ジュースやカルピスで煮詰めてもよい。煮たクリや干しブドウを加えてもおいしい。
*月刊『現代農業』2020年8月号(原題:冷凍トウガンで絶品デザートができた)より。情報は掲載時のものです。