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2025年4月号(特集:今さら聞けない有機農業の話)の読みどころ

有機農業

今さら聞けない有機農業の話

農文協は2025年3月10日に『みんなの有機農業技術大事典』を発刊します。天敵を利用して害虫から作物を守る、米ヌカや納豆で微生物を殖やして病気を防ぐなど、農家や研究者が試行錯誤して編み出した農薬や化学肥料を減らす技術の数々。本書はその集大成です。2025年4月号は、その刊行記念特集として企画しました。

有機農業をやっている先輩たちに聞く

「みどりの食料システム戦略」(みどり戦略)のおかげで今、有機農業はブームです。ただし、「有機農業」と一口にいっても、そのやり方はさまざま。課題もさまざまです。どんな品目から始めたらいいのか、どこで売ればいいのか、ご近所トラブルの回避方法など、今さら聞けないような話を、先輩農家たちに聞いてみました。

例えばご近所ともうまくやっていく方法は、有機農家でなくても参考になります。滋賀の中道唯幸さんは、軽トラの停め方一つでも印象が変わるといいます。1台分しか幅のないような道でも圃場にギリギリ寄せる。こういう謙虚な姿勢を、隣近所の農家はよく見ているというわけです。一方で、有機農家を見る目も変わってきているそうです。もしかすると、有機農業に関心を持つ農家が増えているからかもしれません。

「隠れ有機農家」は多数

今、日本の農業に占める有機農業の割合は、どれくらいだと思いますか? 農水省は、有機農業の面積が2022年度末に3万haを突破したと発表しています。全耕地面積の約0.7%です。みどり戦略をきっかけに増え始めたとはいえ、まだまだごく一部の特別な農業という印象です。ところが、2020年に行なわれた農業センサスによると、有機農業に取り組んでいる農家の数は約7万戸、その合計面積は11万5000haもありました。そのほとんどは有機JAS認証をとっていなくて、農水省のこれまでの調査では明らかにならなかった農地や農家たち。いわば「隠れ有機農家」です。2020年、つまりみどり戦略が発表される前に、すでにこれだけの農家が有機農業に取り組んでいたわけです。

Q.有機農産物って、高く売れるの? 稼げるの?
「Q.有機農産物って、高く売れるの? 稼げるの?」(82ページ)より

約7万の「有機農家」といっても、農薬や化学肥料を一切使わないというわけではないでしょう。作目や栽培時期によって、無農薬でやっていたり、最低限の農薬を使っていたりする農家がほとんどだと思います。じつは、『みんなの有機農業技術大事典』に登場する約150人の農家たちも、完全無農薬・無化学肥料という農家は半分もいません。残りの農家は農薬も化学肥料も使います。ただし、優れた技術を持ち、農薬や化学肥料を減らしたい、生きものや土と仲良くしたいという姿勢だけはみんな共通。いわゆる「気持ちは有機」という農家たちです。本誌『現代農業』も、そういう農家たちと作ってきた雑誌です。今回の特集も、楽しく読んでいただけたら幸いです。

その他のコーナーも見どころ満載です。タイトルだけですが、ご案内します。

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みんなの有機農業技術大事典

共通技術編・作物別編(2分冊・分売不可)★2025年3月10日発行予定

農文協 編